3月6日(日)、上野の国立西洋美術館にて開催されているカラヴァッジョ展へ奥さんと一緒に行ってきました。
3月1日より開催されたカラヴァッジョ展の最初の日曜日。さぞ混んでいるだろうと思いましたが、カラヴァッジョ展開催期間中に奥さんとの予定が合うのがこの日以外は不明瞭だったので急遽観覧することにしました。
カラヴァッジョ展の混雑具合がまさかの…
上野駅に降り立ったのが午前10時過ぎ。
開催されたばかりで最初の日曜日のカラヴァッジョ展。「混んでいないわけがない!」と思い、少しでもその混雑を避けるため午前中に見ることにしたのです。
上野駅から上野公園に向かう人の数は流石に日曜ということもあり、それなりに多い。しかし激混みというほどではなかったです。
早速、国立西洋美術館に向かう。
「あ〜、多分もう行列が出来てんだろうな〜。」とか思いながら歩を進める。
国立西洋美術館は駅から近いのですぐに到着。
恐る恐る敷地の中を覗いてみると…
あれ?全然人がいないぞ??
国立西洋美術館は外にチケット売り場があります。
以前開催されていたラファエロ展の時なんかはチケット売り場の列だけで半端ない列が出来ていたのですが…。
今回のカラヴァッジョ展にはチケット売り場の列が出来てない!まじか!?
いやいやいや、騙されないぞ!オンラインチケット購入者ばかりでもう既に多くの人が会場内に入ってるんでしょ!ちきしょー!出遅れたっ!!
とか思いながらいそいそとカラヴァッジョ展の展示場へ急いで向かう。
その時から少しの違和感を感じていました。おかしい。展示場へ向かう人々の数が少ない気がする。すらすらと進んでいくとあっという間にチケット確認の受付へと到着してしまった。
受付を通り過ぎた時に時計を見てみると10:20。上野に到着してからたいして時間が経っていない。
あれ?入場者の行列は?「待ち時間何分で〜す」といったプラカードを持った係員は?待ち時間0分、ノー行列ですんなり展示場に入れてしまいました。
なんなの、これ?カラヴァッジョ展、楽勝すぎるぞ!?
私が行った時は常設展示室が施設整備のため閲覧不可でした。そのため後ほど常設展に入れるチケットを頂きました。
カラヴァッジョ展をゆっくりと堪能
受付を過ぎると観光地によくある顔の部分に穴が空いていて、そこから顔を出して記念撮影ができるパネルがありました。ウチの奥さんがそれに対して興味が無さ過ぎたので素通りでしたが(恥ずかしがり屋さん)、カラヴァッジョの絵をパネルにしたものでした。
そのパネルを通りすぎて展示室へ入って行くと早速カラヴァッジョの絵が飾ってありました。
受付までは流れるように過ぎて行きましたが、流石に入り口付近は定番通りに混んでいました。しかし、モネ展の時のような「激混み」ではなかったのが印象的です。
通路までも混んでいる展覧会などは人に大分気を使いながら移動したりします。今回のカラヴァッジョ展はかなり自由に移動できるほどの人しかいません。絵の前の人混みも1〜2列で、少し待てば堂々と真正面から鑑賞できるレベル。
カラヴァッジョ展、余裕じゃね!?
ただ、注意してほしい点が1つ。今回のカラヴァッジョ展、全51点中、カラヴァッジョ作品は11点。カラヴァッジョ作品が11点も集まるのは大分すごいことらしいのですが、これをどう捉えるかは各個人次第。「オールカラヴァッジョだぜ、ヒャッハー」とかいう幻想を抱いていると打ち砕かれるので注意して下さい。
とはいえその他の40点の作品はカラヴァッジョの影響を受けた「カラヴァジェスキ」と言われる画家の方々の作品もあるので見応えはあります。
なぜこの情報を伝えたかというと、カラヴァッジョの作品がある場所に必然的に人だかりができるからです。
展示場内は各展示テーマのコーナーに分かれています。カラヴァッジョの作品はこの各コーナーの最初に大体あるので、そこが混みます。
各コーナーの説明パネルも展示されているので、ちゃんとそういった説明を読む方々もいらっしゃるので尚更です。(とはいえ、そこまでの混雑ではありませんが…)
全体的に空いていた事もあってか順調に鑑賞して行けました。ここで個人的に気になった作品をいくつか紹介。
カラヴァッジョの「絵画」作品も素晴らしかったですが、個人的に魅入ったのは丸い盾に描かれた「メドゥーサ」でした。
ギリシャ神話好き(聖闘士星矢の影響大)としてはメドゥーサの盾とか熱すぎるでしょ!!描かれたメドゥーサの首に恐る恐る「目」を合わせる感覚は少し恐怖すら感じます。
そしてカラヴァジェスキと言われるカラヴァッジョの影響を受けた画家達の作品の中で気にいったのはオラツィオ・ジェンティレスキの「スピネットを弾く聖カエキリア」です。
聖人と天使の鮮やかさが柔らかい雰囲気を出しているというか、神秘性を醸し出しているというか。背景がカラヴァッジョの影響を受けた「黒」なのでよりその鮮やかさが際立っています。この絵を見るまでずっと「暗い」絵を観てきているので、なんか衝撃的なインパクトを受けました。なんか好きだわ~。みたいな。単にカエキリアちゃんが可愛いから好きなだけもしれませんが。
そしてそして、本展で初公開された「法悦のマグダラのマリア」には流石にたくさんの人だかりが出来ていました。それもそうでしょう。この絵は有無を言わさせない凄みというか、迫力がありました。是非実物を生で見てみてください。
というわけで印象に残っている作品を幾つかあげましたが、全51点、あっという間の鑑賞でした。
カラヴァッジョ展の物販コーナーは出口を出て右だ!
展覧会後のお楽しみ。物販コーナーです。
今回も図録を買うべく立ち寄ることに。
しかし、出口を出てから左右にショップがあります。右を見るとアクセサリーショップ?左にはミュージアムショップとの掲示が。
…左?か?
と、左に進むが美術関連の書籍がたくさん。その一番目立つ所にカラヴァッジョ関連の書籍がいくつもある。
…図録じゃない…よな?
店内を一周するが、それらしきものはなし。
元来た道を戻り、アクセサリーショップらしきものを通り過ぎると、展示会でよく見る光景が広がる。
カラヴァッジョのポストカードやクリアファイル。限定のコラボ商品など。その中に図録を発見。1冊手に取りレジへ。
モネ展の時はレジにいくまでも列が出来ており、購入するまで30分位かかったが、カラヴァッジョは直通です。
すんなりとカラヴァッジョ展の図録を購入。
今回の図録もかなりの大ボリューム。300ページ超えです。税込み2800円でした。
図録も購入できたので美術館の外へ。
時計を見ると11:10。
入場から退場まで50分ほどで見れてしまった計算。
…。
当初2時間ぐらいは覚悟していたので完全に予定が狂いました。
美術館から出てチケット売り場を見てもやはり行列などは出来てませんでした…。
カラヴァッジョ展に行くなら!
カラヴァッジョはラファエロやモネに比べて知名度が低いのでしょうか?いや、そんな事は…。と思うのは美術がスキな人だけかもしれません。友人にカラヴァッジョ展に行ってきたと話をすると、「誰?」という反応。それがこのカラヴァッジョ展でここまで顕著に出てくるのでしょうか?
そのおかげか、今のところ結構ゆったりと見れるカラヴァッジョ展。ですが今後、日曜美術館や美の巨人でカラヴァッジョが放送されたら劇的に増えるかもしれません。
ましてや春休みやゴールデンウィークなどにもなれば尚更でしょう。
ゆっくり見たい方は春休み前に早めに訪れるのをおすすめしておきます。
追記
同日、ボッティチェリ展を観覧の後にカラヴァッジョ展(西洋美術館)のチケット売り場をちら見しました。14:00過ぎでしたが、やはり行列はなし。