なるべくなら安全で美味しいミルクを飲んでもらいたい!というのが親心的にあるかと思います。
そうすると都会などに住んでいる方は「水道水はちょっと…」となり、水道の水で赤ちゃん用のミルクを作ることに抵抗がある方は少なくないようです。
- 小さい頃から水道水の味が苦手…
- 都市部に引っ越してから水道の水が美味しくなくて飲まなくなった
- どうしても水道水に拒否反応がある
水道水に対してこのように考えている方が一定数いるからです。
ましてや赤ちゃんが生まれてからはミルクだけでなく、全てにおいて神経質、心配性になる傾向が出てきてしまいます。特に母乳をあげれないという状況下だと尚更…。わが家でも私の奥さんがかなり神経質になっていました…。
というわけで今回は赤ちゃん用のミルクと水道水というテーマで書いていこうと思います。
水道水の安全性は?粉ミルクに使えるの?
水道水は川など自然の水を採取し、浄水したものです。
浄水をすることで細菌の数を減らし、泥や細かな異物を取り除き、水質を良くして我々が飲んでも大丈夫なレベルまでキレイにしています。
日本ではこの水道から出る水を水道法により水質基準が明確に定められています。
この基準があるおかげで日本の水道水はとりあえず安心して飲むことができます。
赤ちゃん用のミルクで水道水を使用する場合の気がかりな点
とりあえず日本においての水道水は一定の安全性が保障されていることはわかりました。
しかし、いざ赤ちゃん用のミルクに水道水を使おうとした場合に2つの気がかりなことがあります。
それは…
- 浄水の段階で細菌を減らすために塩素が使われている
- 塩素を使用していても細菌を取り除ききれていない
という点です。
ではそれぞれ詳しく解説していきます。
気がかり①:浄水の段階で細菌を減らすために塩素が使われている
最近は浄化装置が良くなったおかげでこの塩素の使用量が減ってきているようですが、それは水質の場所次第のようです。水質がよくない地域では塩素濃度が限界まで使用されているようです。
また浄水場の近くに住んでいる場合も塩素濃度が高い数値のまま供給されてしまうのだとか。
気がかり②:塩素を使用していても細菌を取り除ききれていない
これは水道法の水質基準に「一般細菌:1mlの検水で形成される集落数が100以下であること」とあるように細菌を完全に取り除かなくても飲水としては問題ないとしているからです。
つまりは数値が100以下なら問題なく飲料水として合格を出しており、もしかしたら「99」あるかもしれない…ということです。
ミルク用の水として「水道水」の何が問題なのか
ではこれら2つの問題が赤ちゃん用ミルクのための水として何が問題なのでしょうか。
前述したように、そのままの水道水には少なからずの塩素と細菌が含まれています。
赤ちゃんに与えるためにはこれらを除去しなくてはなりません。
その除去方法が「水道水を沸騰」させるということになります。
沸騰させることで細菌を死滅させ、塩素を取り除くことが出来ます。
※ついでにカルキ臭も消える
これを行うことで上記で述べた気がかりな2点が払拭されることになります。
しかし新たな問題が発生してしまいます。
問題1:発ガン性物質が発生
実は水道水の中に含まれる塩素が沸騰することによって発ガン性物質であるトリハロメタンが発生してしまいます。
このトリハロメタンは沸騰させ続けることで気化し、減少していくきます。
20~30分ほど沸騰させることで(完全になくなることはないが)ほぼなくなる。
しかしながら赤ちゃんの世話をしながら都度、水道水を沸騰させ、さらに20~30分待つのはなかなかに大変です。
この待ち時間はいざ育児が始まるとほんとうに大変ですよ…。
こんな時間があるなら少しでも休みたいというのが本音になるでしょう。
問題2:水中のミネラル分が増えてしまう
また別の問題として、水道水を沸騰させた場合、水中のミネラル分(金属や鉄、カルシウム分)が濃くなります。
微量だとはいえ毎日何回も飲むミルクに余分なミネラル分が増えるということは、赤ちゃんにとっては体への負担が大きくなります。
まとめ
というわけで、一定の安全性はあるものの、水道水をミルク作りに使用するのは何とも悩ましいという結果になってしまいました。
少しでも安全なミルクを生まれたばかりの赤ちゃんには与えたいという思いは誰しも同じですよね。
赤ちゃんがミルクを飲む期間は1年前後です。
生後半年後には離乳食が、生後1年後ぐらいには幼児食が始まります。子どもが成長していく中でお水を口にしない日はありません。
これを機にご家庭での「お水」のことに関して検討をしてみてはいかがでしょうか。
水道水がなんかダメそうなら「ミネラルウォーターなら良いんじゃない!?」となりがちです。
しかしミネラルウォーターは生まれたばかりの赤ちゃんには体への負担が大きいため、お腹を壊してしまう可能性が高いです。
ミネラルウォーターをあげるぐらいなら水道水のほうがまだ「安全」です。
それでも水道水に抵抗感を感じる方はRO水といわれる純水をおすすめいたします。